山形県庄内地方で春に人気の郷土料理『孟宗汁』は鶴岡出身の直木賞作家「藤沢周平」さんも大好きだった!

マツです。
私の郷里の山形県庄内地方で春に人気の郷土料理である「孟宗汁(もうそうじる)」を紹介したいと思います。毎年この時期になると、食べずにはいられない超ーうまい郷土料理です。鶴岡出身の直木賞作家『藤沢周平』さんも大好きだったようです。

孟宗汁とはどういう料理?

「孟宗汁(もうそうじる)」というのは、孟宗竹というたけのこを使った、春の山形の郷土料理で、孟宗筍と厚揚げと椎茸豚肉を入れる場合もあり)等の具材を入れて酒粕と味噌で仕立てた汁物です。とてもシンプルな料理なのですが、多くのファンをもつ逸品です。また、この時期には、採れたての孟宗竹を使用して毎日でも食べたいです。庄内地方で有名なのが鶴岡市の奥座敷の湯田川温泉近くで採れる「湯田川孟宗」で、えぐみが少なく柔らかで、孟宗汁にぴったりなんですが、これは、かつて修験者が北前船で京都から孟宗筍を持ち帰り、寺社に植えたのが始まりとも言われています。

孟宗汁は山形県庄内地方の郷土料理!

孟宗竹は全国で生産されていて、生産量は、1位:福岡県、2位:鹿児島県、3位:熊本県と九州、四国、京都など暖かい地方で多く生産されています。また、孟宗竹生産の北限は、東北南部の山形県と宮城県となっているようです。「孟宗汁」大好きな地域 庄内は、「孟宗」の一大消費地であり、また産地でもあります。庄内は「孟宗」の北限といわれ、その孟宗は柔らかく独特の甘味があります。春の訪れとともに南国産から孟宗を食べ続け、そして最後に地物の朝堀り「孟宗」食べ、やっぱり地物の「孟宗汁」一番と納得します。この「湯田川孟宗」は大変人気があり、朝掘り孟宗を目当てに地元の人のみならず県内外から多くのファンが押し寄せます。湯田川の直売所も朝早くから大勢の人で行列ができていますね。

 

 

 

 

 

 

 

JA鶴岡大泉支所(直売所)でも開店前から並んでいますね。早く並ばないとすぐに売り切れになってしまいます。

すごい量なのですが、あっという間に売り切れます。

湯田川孟宗の特徴は?

「湯田川孟宗」は、赤土でしっとりとした粘土質の土壌や、冷たい雪解け水に育まれ、全国的に名を知られる良質なたけのこに育ちます。えぐみがなく、色白で、やわらか、そして風味も豊かです。孟宗は掘った直後からえぐみの成分が急激に増加するため、収穫から調理までの時間が短ければ短いほど良いとされています。そのため湯田川孟宗でも、早朝に採り入れ、収穫から5時間以内のものは「朝掘り」といわれ珍重されています。一般的なたけのこは米ぬかを使い、下ゆでをする「アクとり」が必要ですが、朝掘りのものは水から40分~1時間ほど茹でるだけと調理が簡単です。そして代表的な孟宗料理の一つが「孟宗汁」です

有名作家『藤沢周平』さんも大好きな「孟宗汁」

直木賞作家『藤沢周平』さんといえば、江戸時代を舞台に、庶民や下級武士の哀歓を描いた時代小説作品を多く残しました。シリーズ作品としては、用心棒日月抄シリーズ、隠し剣シリーズなどがあり、映画にもなったたそがれ清兵衛」「蟬しぐれ」などが有名ですね。『藤沢周平』さんは、現在の鶴岡市出身であり、「孟宗汁」を食べていたようで毎年5月になると思いだす季節の味と語っています。「孟宗汁」は、庄内の春を代表する郷土料理で、庄内地方では、「孟宗」は春の食卓を彩る旬の食材として愛されています。

 

湯田川温泉「孟宗まつり」

湯田川温泉では5月中旬に孟宗収穫のピークを迎えます。そして4月下旬から6月初旬頃にかけて、湯田川温泉で開かれるのが「孟宗まつり」。各旅館でさまざまな孟宗料理に舌鼓を打つことができます。孟宗汁はもちろん、孟宗ごはんや孟宗木の芽和え、孟宗の刺身や天ぷら孟宗田楽、焼き孟宗…、それぞれの旅館自慢の孟宗づくしの料理を楽しみに全国各地からたくさんの人が訪れます。孟宗竹で地酒をお燗した「かっぽ酒」は竹の香りと甘みを感じることができ、こちらも人気です。詳細は下記から

湯田川温泉 孟宗祭り

また、この時期には、宿泊者を対象とした孟宗の収穫体験も行われています。孟宗掘りの達人の指導のもと、自分の手で収穫した孟宗はまた格別です。

孟宗汁の作り方

孟宗竹は新鮮なものであれば当然あく抜きは不要です。収穫後少し時間が経ったものは、お湯で20分程度下茹でして毒素(青酸配糖体)を除去します。好みですが、米糠などであく抜きしない方が、エグミが残り、孟宗汁としては美味しいと思いますね。

<材料>

  • 孟宗竹 500g
    (下茹でして皮を除いた分量)
  • 厚揚げ 1枚
  • 生椎茸 4個
  • 酒粕  100g
  • 味噌  50g
  • ダシ汁 900cc

<作りかた>

  1. 孟宗筍、厚揚げ、生椎茸を食べやすい大きさに切る。
  2. 鍋にダシ汁と孟宗筍を入れて火にかける。
  3. 煮立ったら、生椎茸、厚揚げの順に加えさらに煮込む。
  4. 孟宗筍が柔らかくなったら、いったん火を止め、酒粕と味噌を溶き入れる。
  5. 時々かき混ぜながら弱火で30分~1時間コトコト煮込めば完成。

 

今年は孟宗竹が豊作のようです。今の時期は、九州(熊本)産の物が沢山出回っています。早速、今年初の孟宗汁を作りました。やっぱり美味しいです。これから、何度か作ると思います(自分ではなく、かみさんが作るのですが)が、ゴールデンウィークに鶴岡の実家に行って、湯田川孟宗の孟宗汁を食して今年は終了となる予定です。

まとめ

  • 皆様も一度孟宗汁を作ってみて下さい。シンプルで簡単で美味しいです。
  • ゴールデンウィークは山形県鶴岡市の湯田川温泉へ一度行って見て下さい。美味しい筍づくし料理が堪能できると思います。

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